お客様の要望のすべてにアプローチ
三島氏の設計思想とも言うべき「全部叶えたい!」は、一見、御用聞き設計にも聞こえるが、三島氏には全く当てはまらない。これは三島氏の設計をする際のポリシーである。要望のすべてにアプローチし可能性を見出す。最初からできないという発想は持たないのが信条だ。
徹底的な施主の要望を引き出す設計手法は、できないことまで引き出してしまうためリスクも伴う。しかし、三島氏はあえてお客様の要望の全てにアプローチする。施主は、三島氏の姿勢に思わず全てを託しプランニングを待つことになる。
With HOMEの建築思想
With HOMEの住まいづくりには徹底したアプローチの仕方がある。戸田氏と持田氏は常にお客様との正しい要望の整理を心掛けている。住まい手の希望を正しいものに導き、建築家へバトンタッチする。三島氏の「全部聞く!」という建築思想とWith HOMEのお客様との接し方には共通する部分がある。
徹底的に施主本位のアテンドスタイルは、プロとしての姿勢の表れだ。細部にまで気を配る女性スタッフが中心のWith HOMEスタイルは、満足度の高い住まいの提供をし続けている。
色の感性
戸田氏は住まい手の好みを尊重しながらインテリアコーディネートを行なっている。アースカラーを基調としたデザインは、落ち着いたリビング空間をつくりだしている。床の色から始まり、壁や階段の色、飾り棚のアイテムに至るまでのWith HOMEの感性でコーディネートされている。インテリアコーディネートをするにあたり大切なポイントは「色と素材のリンク」。インテリアのベースとなる床の素材や色と家具や小物類の素材や色をリンクさせていくことでインテリア空間の統一感をつくりだしていく。お客様の色と素材の好みを把握し、インテリアデザインの方向性を見出していく。確かなアドバイスから住まいの「色」を施主と共感し、暮らしのポテンシャルを上げていくのがWith HOMEの住まいづくりの手法。
持田氏も自ら「With HOME」の住宅に住み、日ごろの生活から様々なライフスタイルに触れ感性を磨き続けている。体験したものから生み出される感性は、お客様の家づくりを確かなものへと導いていく。
経験と知識
With HOMEの家づくりは、時に土地のチェックから始まる。いかに設計技術や施工技術が優れていても、土地の選定を間違ってしまっては理想の暮らしとは程遠くなってしまう。住まい手の要望を事前に把握することで、土地のチェックを正しく行っている。土地の読み解き方が、その後の設計に大きく影響することを良く知っているからこそ土地のポテンシャルをチェックすること重要視している。土地購入のアドバイスから引き渡し後のお付き合いまで一貫してコーディネートしていくのがWith HOME流の住まいづくりだ。
確かな施工技術
その感性から生み出された設計図を正確に施工するのは工務店である小浦氏の仕事だ。元々、大工だった小浦氏は施工の品質に妥協を許さない。構造の強さや温熱環境を決める気密性能などの基本的な施工はもとより、屋根の仕上げや電線の引き込み位置、電気メーターやガスメーターの位置、そしてエアコンの設置位置まで気を遣い施工をする。
現場での大工とのコミュニケーションは品質の高い住まいをつくりだす大切な要素。近年では、プレカット技術の向上などにより大工が現場で行う仕事の量は減ったが、最後は職人の仕上げで決まると小浦氏は言う。もともと大工だったからこそ、現場の仕事を大切にする。
建築家と工務店
高度な設計技術と工務店の確かな技術、そしてWith HOMEならではの建築のコーディネート技術。どれが欠けても「With HOME」の家づくりにはならない。住宅づくりはありとあらゆる要素の組み合わせで成り立つ。まさにガラス細工でも作っているかのように繊細にモノづくりをしていく。
editor
君島貴史(きみじま・たかし)/1975年東京生まれ。2008年、トレードショーオーガナイザーズ株式会社にて注文住宅の専門展示会「スタイルハウジングEXPO(東京ビッグサイト)」を立ち上げ、住宅購入を検討する施主20000人が来場する住宅イベントを開催。2014年より株式会社バウハウスデザインの常務取締役に就任し、「楽しくなければ家じゃない」をモットーに家づくりに携わっている。株式会社AND ARCHIを設立し、ウェブマガジン「AND ARCHI」の編集に携わっている。
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